真似で終わるか、自分のスタイルにするか。型にはまらないためのデザイン論
「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」
20世紀を代表する画家パブロ・ピカソが遺し、後にスティーブ・ジョブズも引用したことで知られる言葉です。
歌舞伎町という街を歩き、ナイトワークの現場に身を置いていると、この言葉の重みを強く実感する場面があります。名刺、イベントポスター、SNSの告知画像。街やタイムラインには、無数の「誰かの真似」が溢れています。
流行っているデザインをそのまま真似る。定番とされるフォントやあしらいを機械的に並べる。しかし、表面的な模倣をいくら重ねても、できあがるのは「誰かの二番煎じ」にすぎません。

「真似る」と「盗む」の決定的な違い
ピカソが語った「模倣」と「盗む」の差は、表面の飾りをなぞっているか、本質を捉えて自分のものに昇華させているかの違いです。
- 模倣(コピー):目に見える装飾や流行の配置を、そのまま写し取ること。
- 盗む(スチール):そのデザインがなぜ機能し、なぜ人を惹きつけるのかという「構造や意図」を理解し、自分自身の文脈や目的に合わせて再構築すること。
洗練された存在感を持つプレイヤーや店舗は、単に誰かの形をコピーすることはしません。世の中にある優れたクリエイティブや文化からエッセンスを吸収し、自分自身の個性や店舗の空気感と結びつけて、独自の表現へと落とし込んでいます。

デザインに「たったひとつの正解」はない
デザインにおいて、特定のルールや型を盲信する必要はありません。
ときには余計な要素を削ぎ落とす「引き算」が圧倒的な品格を生むこともあれば、大胆な色使いや華やかな特殊加工、エッジの効いたタイポグラフィで強い存在感を打ち出すべき場面もあります。
名刺ひとつを取っても、求められる役割は人それぞれです。
- 店舗スタッフや黒服の方のように、清潔感と信頼感を静かに伝えたい場合。
- キャストの方のように、自身のキャラクターや世界観を鮮烈に印象づけたい場合。
- イベントポスターのように、一瞬で視線を引きつけて熱量を伝えたい場合。
大切なのは、「特定のスタイルを押し付けること」ではなく、相手の美意識や現場のニーズ、果たすべき目的に対して、最も効果的な表現手法を選ぶことです。

「誰かのスタイル」ではなく、「あなたのスタイル」を
当スタジオの名前「My Style Design」には、誰かの枠組みに無理に合わせるのではなく、自分だけのスタイルを堂々と形にしてほしいという想いを込めています。
ミニマルでストイックな白名刺。整然とした美しさを持つテンプレート。
紙の質感や箔押し・デボスなどの加工までこだわり抜いたフルオーダー。
あるいは、空間やSNSで視線を集めるグラフィック。
私たちが目指すのは、決まったデザインの押し売りではありません。お客様が求めるニーズや目的に真摯に耳を傾け、あらゆる表現の中から最適な答えを導き出すこと。
型をただ真似るだけの制作から抜け出し、あなただけの「スタイル」を形にする並走者でありたいと考えています。
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